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友人が

 昨夕、六本木ヒルズのレオナルド・ダ・ヴィンチ展に行く。会期は明日からだが内覧会に招待された。すると、招待してくれた人の奥さんが、受付でわしを待っていてくれた。そして彼の病状の事を聞く。ガンで、余命いくばくもないと。

  彼、ダヴィンチの研究家で美学の助教授とは18年前、自動車学校で知り合った。せっかく自校に来たのだから彼女でも見つけようと思い、その前にカッコいい男と友達になれば、彼女の出来る確率が上がると思った。そこで選んだのが彼、話しかけて友人になった。すると同い年で、共通の友人もいることが分かった。
 わしのマンション時代には奥さんと泊まりにきたこともあり、わしの100冊、200冊パーティにも来てくれた。
 今回、招待してくれ、久々に会えて嬉しかったのに。

 ダヴィンチの展示場を出てレセプション会場に行くと、51階だから、ちょうど綺麗な夕焼けが見えた。空は黄昏、下界は夕闇だ。輝く雲には天使が飛び、下界の暗がりにはわらわらと物の怪が蠢く。その天と地の間の虚空を見つめながらワインを傾け、涙を堪える。
 やがて奥さんが呼びに来て、車椅子で到着した彼と会う。疲れるといけないので会話が出来ず、ただ手を握っただけ。それで別れた。これが今生の別れだろう。
  奥さんに、「わしに出来ることがあったら言ってね」と言うと、「彼が、きっと睦月さんは未亡人ものを書くだろう、って言ってましたよ」と答えた。互いに涙を堪え、奥さんとも別れて六本木を出た。
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かげろう102

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官能作家、睦月影郎のブログ2です。

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